最期まで口から食べることをめざして
~“新宿食支援研究会”を立ち上げ支援活動を実践~

昭和上條医療賞・受賞者探訪

第4回 昭和上條医療賞受賞者~地域保健医療貢献部門~

五島朋幸 先生

新宿食支援研究会代表(ふれあい歯科ごとう代表)平成21年「新宿食支援研究会」を設立され、地域の高齢者を対象に適切な栄養管理、経口摂取の維持、食を楽しむことを目的とし、 医療・介護に関わる多職種や一般市民も含めた130人のメンバー、20以上のワーキンググループで多様な支援活動を実践。地域包括ケアシステムの一つの成功例となっている。

昭和上條医療賞の受賞から7年半が経過しました。新宿食支援研究会はどう変化しましたか?

五島

現在も基本的にはあまり変わらないと思います。ただ、オンライン形式のプログラムを取り入れるようになり、再び、盛り上がってきております。例えば、ガムを用いて咀嚼能を確認することを始めました。ただ高齢者は人前でかんだガムを出すことに大変抵抗があり、現在解決策を模索中です。

「食べる権利は生きる権利」というお考えを発しておられますが、これは「最期まで口から食べることをめざす」という考えにつながるのでしょうか?

五島

その通りです。多くの医療機関では嚥下障害の診断に伴って、禁食となります。これは患者さんの将来にとってはベストな選択ではないと信じています。

このような考えは医療人の中では変わってきましたか?

五島

まだ変わってないですね。勿論、在宅医療に関わっておられる方には変化があります。市民自らが変化することが重要と思っています。

サルコペニアに伴って嚥下障害につながると聞きますが…

五島

Q
誤嚥性肺炎で入院すると、食べられなくなるのは常識になっています。これを克服しなければならない。「安静」は却って不利な状況を生んでしまいます。

「最期まで口から食べることを目指す」という先生のお考えを市民まで広げる活動は、現在はどのような動きになりましたか?

五島

コロナ禍で一度停滞しましたが、その後、復活しつつあります。例えば、タベマチフォーラム(7回目)を通じて市民への食支援サポートをしっかりしておけば良いかなと思っています。

小学生対象に最期まで口から食べることの大切さを説かれたと聞きましたが、反応は如何でしたか?

五島

社会福祉協議会と連携し、小学3年生対象に行ったところ、大きな関心を持ってくれました。今後もこのような講演も広げていければ将来的には市民レベルに拡大すると思っています。

新宿食支援研究会では、食支援のサポート、例えば「介護食に困った」などの支援をされてますが、具体的にはどのような体制で行っているのでしょうか?

五島

研究会を通じて多職種間で培った情報を元に全身管理、栄養管理、口腔ケアなど専門的な情報提供を行っています。

9月7日に行われた「タベマチフォーラム」でお感じになったことを紹介してください

五島

参加者の方の食に対する関心は非常に大きいものがありました。この事が“誤嚥性肺炎=禁食”という流れを市民レベルで変えていく努力をすることが大切であると実感しました。市民の意識が変わり、医療人から禁食を言い渡された時点で「何言ってるんですか」といえる状況を作り出したいと思います。

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